ニオイの種類は40万種

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ニオイの種類は40万

「ねえ、なんかにおわない?」
「いやだあ、この辺からにおってくるみたいよ」
[やめて、クサイ話は! 気分が悪くなっちゃうじゃない]
 とか、
「いやなニオイ! 頭が痛くなっちゃう」
「別にいやなニオイじゃないよ。私なんか好きだな、このニ
オイ」

というような会話を、一度や2度耳にしたことかありませんか。これは嗅覚が、視覚や聴覚や味覚よりも、ある面では敏感であることを物語っています。しかも、前節で述べたようこ、個人ごとに判断基準が異なっていることを如実に物語りています。

ところで、誰もが日常生活で、実にたくさんのニオイを感じているわけですが、いったいどれくらいのニオイがこの世の中にあるのでしょうか。

ある化学者の説によると、その数は40万種以上にのぼるといいます。しかし、いくら鋭敏な鼻をもってしても、それらのすべてをかぎ分けることは不可能です。人間の鼻では、せいぜい2千種もかぎ分けられればよい方です。たとえかぎ分けられないとしても、人間は生きている限り、雑多なニオイをかぎ続けて生きていくしかないのです。

あまり一般の人に役立つものではありませんが、数限りないニオイを、その性質ごとに大別して分類しようとする試みもなされています。最も知られている分類法は、植物学者としても有名なリンネ(1708~1777)によるものです。

リンネによるニオイの分類

リンネによると、ニオイは7種類に分類されます。

①芳香臭一月桂樹や熟した果実などのニオイ

②馥郁臭一百合やパラ、沈丁花など香りのよい花のニオイ

③ジャコウ臭-ジヤコウに代表される高貴な香り

④ニラ臭-ネギ、ニラ、ニンニクなどの鼻をつくニオイ

⑤尿臭一一尿のニオイや山羊、狐、狸などのニオイ

⑥悪臭一誰にも不快感を与えるニオイ

⑦腐臭一腐った肉のような、吐き気をもよおすニオイ

以上ですが、この他にも、様々なニオイを分類する試みがなされています。しかし、人種や性格、環境、その時々の体調などによって、感じ方は千差万別なのですから、分類しようとした人の数だけ分類法ができてしまうことにもなりかねません。

もちろん、偉大なリンネの分類法によっても、各種のニオイを定義づけることはできません。いや、定義づけようとすること自体が無意味なことなのかもしれません。

ニオイは、元来、快・不快を含めて、正確には分類できるものではないのです。

一般には、花や熟した果実の多くは、快いニオイとされていよすが、甘ったるくて不快に感じる人もいます。

一人ひとりの女性はかぐわしいニオイを発していても、若い女性の研修会で大勢集まった時などは、数多くのニオイが混じり合い、とりわけ男性にとっては、ムッと胸がっまるような不快なニオイに感じることもあります。

またジャコウのように、ジャコウ鹿やジャコウ猫から取り出したばかりの時は不快な糞臭にしか感じられないのに、薄めていくにしたがって、誰しもが夢心地になるような快い二オイに変わるものもあります。

このように、ニオイは量や質によっても、その組み合わせによっても、微妙に変化するのです。

体臭に悩む人の中には、少し離れたところでかぐと、決して不快なものではないのに、肌と衣服の間からもれてくる自分の“濃いニオイ”を不快なものと判断して、自己嫌悪に陥っている人も少なくありません。香水やオーデコロンをつけて、かえって不快なニオイに変わることもあるので、注意したいものです。 

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